スウェーデンのシニアに人気の健康法のひとつに水泳があります。今回のレポートでは水泳事情についてレポートしたいと思います。

トレーニングとしての水泳

スウェーデンでは水泳の教育が盛んです。小学校では達成すべきノルマが課せられています。水泳が苦手な子には課外授業で水泳を行う場合もあります。また、習い事として水泳教室に通っている子供もたくさんいます。これには、速く泳ぐことを目指す競泳のためではなく、湖や海で溺れないようにするための技能を身につけるといった要素がかなりあります。

シニアの間でも平日、休日にかかわらず、プールには多くの人がトレーニングに来ています。プールは早朝にも開いている場合が多く、朝、出勤前にひと泳ぎ、といった人もいます。ゆっくりプールの中を歩いたり、平泳ぎでゆっくり泳いだりするのがもっとも一般的です。こういった人たちは筋肉を保つなど、健康を保つためのトレーニングのひとつとして水泳を行っています。こういったトレーニングは夏冬問わず一年中行われています。また、孫と一緒に来ている人もよく見かけます。コミュニケーションをとる機会としても水泳が一役買っているように思います。

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写真:medley

ライフセービング

スウェーデンでは夏ともなれば、老若男女を問わず、皆、湖などで泳ぎます。多くの人は平泳ぎなどで泳いでいます。しかし、以前行われた調査によると(人口1000万人弱の)スウェーデンにおいて200万人の成人が、200m泳げるとは思わないと答えています。スウェーデンライフセービング協会では水の事故を防ぐためにシニア向けの水泳教室を開く必要があるといっています。ライフセービング協会は波がないプールで200m泳ぐことと、波がある海などで200m泳ぐことはまったく違うということも指摘しています。また、水泳の能力は一度身につけても、トレーニングを続けなければ能力が落ちるので、5年前に200m泳げたからといって、今も泳げるとは限らないともいっています。

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写真:スウェーデンライフセービング協会

このようなことから、高齢者向けの水難事故防止、水難事故の際の救命法に関する無料のコースをライフセービング協会が開催しています。高齢者向けのコースは10年ほど前に始まり、年々関心と需要が高まっているそうです。ひとクラス6~8人で、1時間の講義・実践が10回行われ、理論と実践両方について学びます。

シニアの水泳選手

スウェーデンの水泳界で活躍しているシニアといえば、バーブロ・トーネレーフさんです。御年86歳。85-89歳のクラスで活躍している選手です。バーブロさんは若いころは水泳のトレーナーなどをしていましたが定年退職した後、本格的に水泳のシニア大会などに出場する競技生活に入りました。いまでも週に2回1000mを泳いでいます。

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バーブロ・トーネレーフさん

写真:マグヌス・ヤルマーソン・ネイデマン(SvD)

 

バーブロさんは、年々タイムは遅くなってるけど、自分にとって大会に出ることは水泳活動の一部ではあるけどもそれだけではないし、トレーニングすること自体に意味があると言っています。トレーニングすると充実した気持ちになるし、体の調子も良いと言っています。また、歩くときはバランス悪いけど、水の中だとバランスは関係ないからね、と笑いながら話しています。

バーブロさんのご主人亡くなってからは、水泳のもつ意味がより重要になったそうです。水に触れることで落ち着くし、水泳仲間との年齢差、男女差が関係ない年齢差、男女差ないつきあいを通して交流を深めることができる、水泳のない人生なんて考えられない、と言っています。

まとめ

今回のレポートでは、スウェーデンのシニアの水泳事情についてお伝えしました。心身の健康を保つために水泳を行っている人が多くいるように思います。水泳はゆっくりとした動きで、水中で行うことから、体への負担が少ない健康を保つための運動として、みなさん積極的に取り入れているようです。