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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

高齢者の住宅事情(1)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月 ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。現地から最新の高齢者事情をレポートします。

第7弾の今回は、高齢者住宅についてです

高齢者の住宅事情(1)

ダールマン容子 (Yoko Dahlman

スウェーデンでは、高齢者が自分の子供たちと同居生活を送ることは全く一般的ではない。
ほとんどの高齢者たちは、今までどおりパートナーと、そしてパートナーが他界した後はひとりでの生活を続けるか、国(市町村)の運営する特別住宅で生活を続ける。スウェーデンの高齢者のための特別住宅というのはどのようなものなのか。また、どれくらいの利用率なのか。
今回は、高齢者の住宅状況をレポートする。

 

 

 通常の住宅に住む高齢者

スウェーデンでは、65歳以上の年金生活者のうち94%は通常の住居、つまり今まで生活してきた自分の住居に住み続けている。高齢者のための特別住宅に住む数は、加齢に比例して増えていく。80歳以上の16%強は、高齢者のための特別住宅で生活している。通常の住居に住み続けることは、今後は今まで以上に容易になると考えられる。それは、多くの住居が、高齢者がより生活しやすく活動しやすいように改装されてきているためである。また、通常の住宅において、日々の生活をより容易にするための技術的な解決策も次々に考えられている。


 

一部の高齢者は高齢化によって今まで住んでいた通常の住居から特別な設備を持つ住居に住み変える必要がある場合もある。チャートにあるように、65?74歳のうちの59%、75歳以上の37%は一軒家に住んでいる。しかし、一軒家での生活は、高齢化と共に様々な問題を引き起こす可能性がある。例えば、芝刈りや庭の手入れ、雪かき、または日々の掃除などは加齢と共に困難となる具体例である。また、多くの一軒家には家の中に階段があり、例えば腰に障害がある、または心臓発作などの危険がある高齢者にとっては、階段を上るという行為は非常に難しいこととなる。

 

おそらく、そのために高齢者対応型のマンションへの住み替えの需要が今後も高くなると考えられている。この場合の『高齢者対応型』というのは、車椅子や足腰の不自由な高齢者が生活のしやすいマンションのことである。例えば、エレベーターがある、風呂洗面スペースが広めである、部屋の中に段差が少ない、などという特徴がある。同時に、ある程度の共同サービスや設備(例えば食事、掃除、共同ルームなど)、共同活動(縫い物教室、ミニゴルフなど)のある住宅の需要も高くなると予想される。それは、つまり”seniorbostäder”『高齢者専用住居』の需要に結びつくことになる。(seniorbostäderについては次回以降、詳しくレポートする)

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2005101日の統計によると、65歳以上のおよそ235,400人は高齢者のための特別住宅に永住するか、通常の住居に住み続けながら自宅訪問サービスを利用している。この人数は、その年齢グループの15%に相当する。

通常住居に住みながら自宅訪問サービスを利用する、または特別住宅に永住するという割合は、65歳-74歳では3%である。80歳以上の年齢グループとなると、その利用率は37%となり、95歳以上となると、91%の利用率となる。

自宅訪問サービスは、65歳-89歳の年齢幅では、特別住宅に永住するよりも一般的である。90歳を越えて初めて、自宅訪問サービスの利用より、特別住宅に永住する数の方が多くなる。

また、統計によると通常住宅に住む高齢者のうち135,000人が自宅訪問サービスを利用しているという。

(自宅訪問サービスについての詳細は、以前のスウェーデンシニアレポートをご参照ください)

 

 

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