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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

高齢者の住宅事情(5)

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

前回のレポートで、スウェーデンの高齢者専用住居の詳細と展望をご紹介しました。今回はそれ以外の高齢者向け住宅サービスについてレポートします。

短期間滞在型の特別住居 Korttidsboende

短時間の介護サービスや短期間滞在型の特別住居サービスというのは、自宅訪問サービスの付属サービスとして考えられている。
自分自身の住居と、永住型の特別住宅(老人ホーム)、そして完全介護施設の『中間型のサービス』で、ケアを受けながら、
今まで住んでいた住居に住み続けることができることを可能にするサービスである。

短時間の介護サービスや短期間滞在型の特別住居サービスというのは一時的な住居形態で、そのサービスを利用しているほとんどの人は、最終的には『特別住宅』に移り住んでいる。
この短時間の介護サービスや短期間滞在型の特別住居サービスは主に、リハビリ、長期入院生活後の介護、または家族の介護をサポートするための代替介護のためのものである。

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*自宅で短時間介護サービスを受ける高齢者

2005年10月の調査によると、247,300の住居が24時間体制の短時間の介護サービスや短期間滞在型の特別住居サービスの利用に登録している。
それは、2004年の同月の調査より19,600軒、9%の増加率である。

短時間の介護サービスや短期間滞在型の特別住居サービスを利用したことのある人数は8,700人である。
これは、2004年と比較すると、400人減少している。

デイケアサービス Dagverksamhet

自宅訪問サービスのもう一つの付属サービスは、『デイケアサービス』である。そのサービスもまた、高齢者が今までどおりの住居での生活を可能にするためのものである。
デイケアサービスは、特別住宅への補助的サービスとしても利用されることがあるがそのケースはあまり多くはない。

また、特別住宅においてはデイケアサービスも他のサービスの一部として統合されていることが少なくない。

デイケアサービスは、主に高齢化による、痴呆症や身体的な障害をもつ人々のためのものである。
同時に、その他の生活活動の補助を必要とする人や、リハビリ中の人のためでもある。

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ビンゴ大会の様子

2005年10月には、およそ11,100人の普通住居に住む65歳以上の高齢者が、デイケアサービスを使用している。
その同時期に、特別住宅に住む65歳以上の高齢者で、デイケアサービスを利用したのは1,100人であった。
デイケアサービスの利用者のうち、約64%が女性である。

普通住居に住みながらデイケアサービスを利用する高齢者はここ数年若干ながら増加傾向にあるが、特別住宅に住みながらデイケアサービスを利用する数は、減少傾向にある。

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まとめ

以上のように、スウェーデンには様々なタイプの高齢者向けの住居やサービスがある。
日本のように、家族との同居が全く一般的ではないスウェーデンにおいて、高齢化による様々な障害をどのように乗り越え、また共存し、日常生活を送っていくかというのは非常に大きな問題である。

日本的な感覚から見ると『老後ひとりで生活をしなければいけないなんて、大変だなぁ』ということになるのだろうが、スウェーデンに住む多くの高齢者たちは、むしろひとりでの生活を望んでいるのである。
ある高齢者は、『家族と同居して、気を遣いながら生活するくらいなら、ひとりできままに生活した方が楽しいもの』と語っている。

しかし、高齢者が『ひとりできまま』に生活できるためには、高齢者が住みやすい住居はもちろんのこと、国を始め、民間からも様々なサポートや設備が必要なのである。

                       

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