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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

スウェーデン最大規模のシニア展2012

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

 今年も10月31日から11月2日の3日間、ストックホルム近郊のエルブシェにてシニア展が開かれました。今月はこのシニア展に関してご報告いたしたいと思います。昨年の様子については2011.11.28付レポートをご覧頂きたいと思います。

スウェーデン最大規模のシニア展2012

今年も大盛況で、シニア展には昨年とほぼ同じ10200人が来場しました。展示ブースには旅行会社、シニア向け住居を取り扱う会社、自動車会社、シニア用品を取り扱う会社、美容・健康に関する会社など去年を上回る140社近くの企業が参加しました。また展示だけではなく、アーティストによるパフォーマンスや講演会、討論会も行われました。
  
シニア展2012のパンフレット 

 

 

展示ブース

昨年同様、旅行業のブースが目立ったように思います。やはり、アクティブなシニアは大きな購買力を持っていると思われておりシニアを対象にしたクルージングなどの旅行プラン・商品が並んでいました。

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プロジェクト・リーダーを務めたレイフ・シルヴェン氏と会場の様子

 

シニアアーティスト

今年のシニア展では活躍しているシニアアーティストとしてポップ・ロック歌手のペーテル・ルンドブラッド(62歳)が招かれました。40年におよぶ歌手生活を送った今でも常に新しいものを生み出そうとするハングリー精神を持っており、今年の春には最新アルバム「生粋のロマンチシスト」をリリースしました。
 
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ペーテル・ルンドブラッド(歌手)
 
ルンドブラッドは、「ルンドブラッドさんは生粋のロマンチシストですか?多くの人は歳をとるとロマンチックであることが難しくなると思うのですが。」という問いに対して、「僕は生粋のロマンチシストですね。でも、キャンドルを置いたテーブルで愛する妻と夕食を共にするといったようなロマンチシストではないですね。醜いものの中に美しいものを、悪の中に善を見出すといった夢想家、空想家ですね。じゃないと悲観的になって、ネガティブになって堕落しちゃうからね。」と答えています。こういった心の持ち方が、創作意欲を持ち続けるエネルギー源・若さの源になるのでしょうか。会場に来ていた人も彼からパワーを貰ったことと思います。
 

セミナー

シニア展の期間中、会場で30件近いセミナーが開かれました。その中から住居に関するセミナーとコーチング(人生相談)に関するセミナーについて取り上げて、その内容を簡単にまとめてみたいと思います。
 
住居:
現在スウェーデンには大きく分けて3つのシニア・老人向けの住居があります。ひとつは「シニア向け住居」で55歳以上の人を対象にしたものです。普通の住居と同じで自由度がかなりあります。これに対して「老人介護施設」は介護の体制が整っている住居です。比較的新しいタイプの住居がこの2つの中間に当たるようなもので、「安全住居」あるいは「(シニア向け住居と老人介護施設の)中間住居」と呼ばれているものです。70歳程度の人を対象にしたもので、必要なサービスを自分で選び、自分でできることは自分でするといったタイプの住居です。ただし、これらの区分は明文化されたものではないので、住居を選ぶ際は自分の求めているものかどうか、しっかりとチェックする必要があると思います。
 
コーチング(人生相談):
目標を達成するため、自己を向上させるためにコーチングを受けることは日本でもあるかと思います。シニアにとってもよりよい人生を送るためにこのコーチングは非常に重要なものだと思います。シニア展ではシニアを対象にしたコーチングを行っているヘルガ・メッセル氏がセミナーを開きました。
 
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ヘルガ・メッセル氏
 
コーチングに関する質問に、メッセル氏は次のように述べています。
 
質問1:どんな時にコーチングを受ける必要があると思いますか?
「人生のどんな時でも、特に何か決断をしないといけないとき、人生の大きな転換期などにコーチから有益なアドバイスを貰うことができます。相談者の年齢にかかわらず『人生、どう生きるべきか?』という質問をよくされるので、いつもそのことについて取り組んでいますね」
 
質問2:シニアの人とはどのようなことを話し合う必要があると思いますか?
「退職するときはおそらく始めて自由になるときだと思います。長年の夢を叶えたり、なにか新しいことをはじめる機会だと思います。ただ、突然自由になるものですから、新しい環境でどのように時間を使ったらよいかわからないということが多々あるようです。そのようなときにはコーチングを受けて、何が自分に楽しみやエネルギーを与えてくれるかということに関してインスピレーションを得ることが大事になってくるでしょう。
退職によってそれまで全く考えもしなかった問題が起こる可能性もあります。例えば連れ合いが他のことに興味を持って自分に見向きもしなくなったなどです。自分の人生について見つめなおすには労力が必要です。それまでそんなことはやったことがなかったかもしれません。そういうときにコーチングを受けて、新しい人生の方向性を見つけることが大事だと思います。ただし、コーチがなんでも答えを出してくれるわけではなく、自分で興味をもってモチベーションを持つことが大事です」
 
人生相談に限らず、スウェーデン人は仕事や日常のことでよく人にアドバイスを求めます。それが最もスマートな問題解決方法であると信じているように思われます。せっかく自由な時間を手にしたのですから、アドバイスを貰ってより豊かな人生を送りたいものです。
 
シニア展ではここでご紹介した住居とコーチングに関するセミナー以外にも旅行やトレーニングに関するセミナーなど数多くのセミナーが開かれ、みなさん興味を持ってそれぞれのセミナーを聞いていらっしゃった思います。
 

まとめ

今年も盛況のうちに幕を閉じたシニア展。展示ブースではシニア層をターゲットにした自社製品を売り込みたい企業と人生をより豊かにしたいと思っているシニアの人たちで活気に満ちていました。また、アーティストによるパフォーマンスあり、有意義なセミナーありでとても充実したシニア展だったと思います。来年のシニア展が今から楽しみです。

 

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