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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

スウェーデンの長寿の秘訣

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

日本では先ごろ大阪在住の女性、大川ミサヲさんが115歳となり、ギネス・ワールド・レコーズから世界最高齢の女性として認められました。また、世界最高齢の男性、木村次郎右衛門さん(115歳)も日本人で長寿大国の面目躍如といったところでしょうか。スウェーデンも比較的長生きの人が多い国として知られています。今回はこの「長寿」についてレポートいたしたいと思います。

 

最高齢のスウェーデン人

 
こちらスウェーデンでは110歳(2013年3月現在)の女性、ルース・エングストロームさんがスウェーデン人最高齢です。現在は高齢者福祉施設で生活していますが、102歳までは普通のアパートで暮らしており、お化粧、ヘアースタイルのセットなどは自分でし、ハイヒールを履いて歩いていたそうです。
 
ルースさんはスウェーデン南部の生まれで、ご主人とは18歳の時に恋に落ち、すぐに子供をもうけたそうです。ルースさん曰く「若い時はちょっとはやんちゃじゃないとね」。ご主人の実家はガラス工芸品の工場だったそうで、ルースさんは今でもガラス製品が好きだそうです。
 
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スウェーデン人最高齢のルース・エングストロームさん
 
ルースさんのご主人は実家のガラス工場を廃業した後、スウェーデンのマッチ王として知られるイーヴァル・クルーガーの元で働き始めました(スウェーデンは20世紀中頃までマッチの世界的生産大国で、その製品は日本にも輸出されていました)。インドでのマッチ生産を始めるためにルースさんはご主人と現地に赴き、5つの工場を切り盛りしました。ルースさん夫婦はインドでベビーシッター、コック、庭師付きの生活をし、ご本人曰く、「王様のような生活」をしていたそうです。ルースさんは第二次世界大戦後の1946年、スウェーデンに帰国しました。
 
ルースさんは長生きをするための何か特別なことはして来なかったと言っています。「ほんとうに普通だわ」。タバコは吸わないけれども、なにか特別なものを食べたり、特別運動しているわけではないとのこと。
 
Q. 「スウェーデン最高齢ということをどう思いますか?」
A. 「特に何も感じないですね。普段通りの感じです(笑)もうちょっと若かったらねぇ。せめて100歳だったらもっといろんなことが出来るんだけど・・・」
 
 

ニール・バージライ博士の調査研究

 
長寿の人の話を聞くたびに気になるのがどうやればそのように長生きできるのかということです。ニール・バージライ博士が長寿に関する調査研究を行なっています。
 
95?112歳のグループを対象に調査を行った研究によると、これらの人たちは特に運動をしたり、食事に気をつけているということはなかったそうです。それどころか、ひどい生活を送っている人もいたとのことです。太った人も多く、半分以上の人は歩くこともしていませんでした。また、半数はタバコを吸い、多くの人がお酒を飲み過ぎています。90年間1日40本タバコを吸って、109歳になった人もいたとのこと。ストレスを抱えて、働き過ぎ、ひどい食生活で野菜を食べない、さらには、病気を引き起こすと信じられている遺伝子を持っている人もいたそうです。このようなことから「病気を引き起こすリスク遺伝子は長寿とはあまり関係ないのではないか。リスクを克服する遺伝子もあるので」という結論を出したようです。
 
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ニール・バージライ博士
 
調査研究によると、よく言われているように運動をして、正しい食生活をすれば誰でも80歳までは生きられるけれども、それだけでは100歳を超えることは出来ず、100歳以上となると遺伝子や「運」が絡んでくるようです(スウェーデンとデンマークにおける双子の研究によると、遺伝子は25?30%ほどが寿命に関係しているようです。そして、年を取ればとるほど生活習慣の影響は少なくなってくるようです)。
 
平均寿命が伸びてきていることは医療体制と生活習慣が良くなったことが挙げられます。
しかし、本当に長生きするためにより重要なのは、親戚に95歳を過ぎても健康な人(健康だった人)がいることだそうです。”超”長寿の人の遺伝子を調べた結果、このことに関して相関が見いだせたそうです。100歳を超える可能性が3倍になるそうです。両方の親からそのような遺伝子を受け継いでいれば「勝ち組」だそうで、前述のルースさんの場合も親戚の多くが長寿でその可能性があるとのこと。
 
 

長寿の秘訣100

 
最後に「長生きするための秘訣100」をご紹介したいと思います。
 
これはスウェーデンの新聞社が巷で言われている長生きのための秘訣まとめたもので、作成したリストをカロリンスカ研究所のマイ-リス・ヘレニウス教授にチェックしてもらったものです。
 
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マイ-リス・ヘレニウス教授
 
ヘレニウス教授曰く:
「このリストのアドバイスどおりにすると確かに長生きすると思います。一番重要なのは、健全な、良い遺伝子を持つ両親の元に生まれることですね。遺伝は間違いなく重要な要素ですが、このリストにあるような生活習慣も大事ということが多くの研究でわかっています。ちなみに、90歳の人111人を対象にした調査結果があるのですが、それによると、比較的裕福で経済的に問題がなく、コレステロールが少なくて、適度にコーヒーを飲み、健康な状態を保ち、喫煙しない人が長生きしていますね。」
 
それでは長生きするための100の秘訣です。
 
1.タバコを吸わない
2.体重に気をつける
3.友だちに会う
4.結婚生活を送る
5.笑う
6.規則正しい睡眠
7.質の高い睡眠
8.節度ある飲酒
9.ウコンなどの調味料を使う
10.ワインを飲む
11.病院に行く
12.歯医者に行く
13.適切に薬を飲む
14.炭水化物量に気をつける
15.予防接種をする
16.食事に関するアドバイスに従う
17.ランニングをする
18.歩く
19.セックスをする
20.ポジティブシンキングをする
21.無駄な脂肪をなくす
22.胃潰瘍をチェックする
23.文化活動に参加する
24.楽しく仕事をする
25.仕事のストレスを避ける
26.収入を増やす
27.人間関係を大事にする
28.ケールを食べる
29.ペットを飼う
30.自分で料理する
31.日光浴をし過ぎない
32.しかし、日光浴は必要(注: ビタミンDを摂取するため。スウェーデンでは特に冬場は日照時間が少ないので。)
33.心配事があるなら助けを求める
34.葉たばこを吸わない
35.音楽を聞く
36.踊る
37.今ここにい書いているリストを読む
38.座ってばかりいない
39.コーヒーを飲む
40.勉強する
41.できるだけ早く健康的な生活を始める
42.テレビを見ない
43.野菜と果物を食べる
44.ネットで買物をしない(街で買い物をする)
45.適切な脂肪をとる
46.歯を磨く
47.地中海料理を食べる
48.体に良くないものは食べない
49.水を飲む
50.旅行する
51.正しい生活リズム
52.脂肪を多く含む魚を食べる
53.好きなことをする
54.瞑想/ヨガ
55.有機トマトを食べる
56.昼寝をする
57.景色の良いところに住む
58.婦人科検診をする
59.ウエストサイズをチェックする
60.ブルーベリーを食べる
61.ブラックチョコレートを食べる
62.減塩
63.信心深くなる
64.授乳する
65.自然食を食べる
66.加工品は避ける
67.有機牛乳を飲む
68.トレーニングをする
69.アセチルサリチル酸が少ない頭痛薬を飲む(医者に相談すること)
70.にんにくを食べる
71.麻薬を吸わない
72.安全にセックスをする
73.朝ごはんを食べる
74.脳を活性化させる
75.トランス脂肪酸を避ける
76.食物繊維を多く摂る
77.肉を食べ過ぎない
78.皮膚の斑点に異常がないかチェックする
79.マンモグラフィー(乳がん検査)を受ける
80.自転車をこぐ
81.緑茶を飲む
82.適度な時間眠る
83.ナッツ類を食べる
84.ポップコーンを食べる
85.薬の飲み合わせに注意する
86.サプリメントのとりすぎに注意する
87.車を使わずに、公共機関、自転車を使う
88.インフルエンザにかからないようにする
89.定期健診を受ける
90.気候が良くないところから引っ越す
91.ゴルフをする
92.クラブ活動に参加する
93.歯磨きのためにデンタルフロス(糸ようじ)を使う
94.カラフルな食材を食べる
95.借金をしない
96.ストレスを減らすために計画的に物事を行う
97.ヨーグルトを食べる
98.ヨーヨー・ダイエット(体重の上下を繰り返すダイエット)をしない
99.エレベーターではなく階段を使う
100.働き続ける
 

 

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