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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

本にまつわるエトセトラ

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

 スウェーデンは陽がどんどん短くなっており冬に向かう季節となりました(このレポートは11月に執筆しています)。今回のレポートではそんな高齢者にとって「冬の夜長」の友となる本にまつわるエトセトラをお届けしたいと思います。

移動図書館

まずは移動図書館についてご紹介したいと思います。日本にも同様のものがあるかと思いますが、バスに本を載せて地域を巡回する図書館です。スウェーデンでも移動図書館を所有している図書館があり、地域を巡回しています。冬場、雪が降っているとき、道路が凍結しているときなど、高齢者にとっては図書館に足を向けることが難しくなります。そのようなときにはこの移動図書館の役割が重要になってきます。

 

高齢者の間での評判はよく、たとえばヨンショーピング市では移動図書館用のバスを追加購入することにしています。また、市の担当者の話によると、単に本を運ぶ図書館としての役割だけではなく、ミーティングの場所、高齢者にとっての出会い・ふれあいの場所として提供するといった付加価値をつけることも検討しているとのことです。

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移動図書館(バス) 写真:パー・マッティン・イスラエルソン

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移動図書館の中 写真:ヨンショーピング・ポステン

 

本の展示会

先日スウェーデン第二の都市、ヨーテボリで毎年恒例の本の展示会が開かれました。退職者協会もこの展示会にブースを出展し、シニアに人気の作家三人のサイン会などを行いました。退職者協会の委員の話によると、退職者・シニアは非常に大きな購買層なので展示会に出展しているとのことです。展示会ではジャーナリスト、作家、政治家などによるパネルディスカッションも行われました。また、作家で物理学者、そして自身もシルバー世代である、ボディル・ヤンソンの新作「シルバー」も発表されました。歳をとってからいかに充実した時間を過ごすかという事に関する本でシニア・シルバー世代の注目を集めました。

 

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退職者協会のブースにおけるサイン会  写真:退職者協会

 

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展示会会場の様子  写真:オロフ・オールソン

 

読書のためのヘルプツール

これまでに何度かヘルプツールに関するレポートをお送りしましたが、ここでは読書に関するヘルプツールについてご紹介したいと思います。読書のためのヘルプツールの定番といえば、高齢者にとっては老眼鏡かと思います。今年(2014年)のはじめにスウェーデン第二の都市、ヨーテボリに開店した眼鏡店が眼鏡のテンプル(ツル)の部分が、やわらかくて長くなっているデザインの老眼鏡をおすすめ商品として発売しました。眼鏡を使用しないときは首の周りにぶら下げることができ、色も数種類の中から選ぶことができ、おしゃれなものとなっています。常に身に着けていることで、老眼鏡がどこにいったか探すこともなくなります。

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テンプルの部分が長い老眼鏡

 

このほかにもデジタル拡大鏡のような製品もあります。そして、今年(2014年)、アメリカのMITメディアラボから発表された指輪型の文章読み上げ装置なるものもあります。指で指したところを装置が読み取って文字を認識するというものです。この指輪型の装置についてスウェーデンでも紹介されましたが、曰く、

「微妙・・・?いいのかもしれないけど、そうでもないかも・・・でもいずれにしても文章を読み上げる『指輪』っていうのは方向的にはいいのかも・・・。よくわからないけど・・・まぁ、使ってみてもいいんじゃないかなと・・・」

と、なんとも歯切れが悪い感じでしたが、皆さんはいかがでしょうか?

 

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デジタル拡大鏡

 

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文章読み取り指輪

 

まとめ

今回のレポートでは本にまつわる話として、移動図書館、展示会、読書の際のヘルプツールについてお伝えしました。スウェーデンでは書店や図書館などが主催する読書サークルなどもさかんでシニアの人たちを中心に人気があります。このようなサークルあるいはミーティングの場としての移動図書館など、本や読書を通じてシニアの出会いの場が広がっているように思います。

 

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