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ヨーロッパ高齢者事情研究のため、2007年2月ストックホルムシニアライフ研究所を開設しました。
現地から最新の高齢者事情をレポートします。

ヘルプツール

松下泰志(Taishi Matsushita: 2012/1-), セスレ真美(Mami Sessle: 2011/11-2011/12),
ローベリ亜佐子(Asako Raberg: 2011/1-2011/10), ダールマン容子(Yoko Dahlman: 2007/2-2010/12)   

 

今回は久しぶりにヘルプツールに関するレポートをお送りしたいと思います。また、スウェーデンの人たちがどのようにヘルプツールを手に入れているのかについても簡単にご紹介したいと思います。
 

シャンプーキャップ 

まずはじめに、日本でもTENA(テーナ)のブランド名で高齢者向け排泄ケア用品を展開しているスウェーデン企業SCA社の製品について。TENAは先月(2014年11月)ストックホルムで開かれた「高齢者介護デー」の催しに出展し、自社製品を紹介していました。TENAは排泄ケア用品を主に取り扱っていますが、展示会では水なしでシャンプー洗髪ができる製品(シャンプーキャップ)が注目を集めていました。排泄ケア用品の開発で培った技術を応用してできた製品で、ベッドから起き上がれない人などの洗髪の際の負担を軽減することができるということで、ブースを訪れた人の反応は非常に良かったようです。
 
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TENAのシャンプーキャップ
 

センサー付オムツ

次に紹介する製品も同じTENAの製品です。この展示会で発表されたプロトタイプですが、センサーを用いて、各個人の排泄状況・排泄のパターンを細かくチェックし介護(排泄に関するケア)に生かすというものです。TENA Identifi (テーナ・イデンティフィ)と名づけられたもので、センサーを使用し、排泄量、時間などをチェックすることができます。最長、72時間(3日間)モニターすることができます。収集されたデータをグラフで表示することができ、パターンがわかりやすいようになっています。集められたデータをもとに、いつごろ排泄のための介護が必要かを予測することができます。このことによって介護スタッフの負担を軽減することもできます。この製品は、排泄に関する良いケアとは各個人のニーズを理解すること、というTENAのポリシーに基づいて開発されたものです。
 
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装着時
 
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データの表示画面
 
 

ヘルプツールの入手

スウェーデンでは各地域にある診療所を通して、ヘルプツールを無料で借りたり、非常に安い値段で購入することができます。何かヘルプツールが必要な場合は診療所で処方箋を書いてもらい、各県にあるヘルプツールセンターに提出することで、ヘルプツールを入手することができます。たとえば、重度の静脈疾患の場合などに使用する医療用の圧着ストッキングはオーダーメードのものを使用しなければなりません。そのような場合は、地域の診療所にいる専門家がそれぞれの患者さんにあった形状、サイズ、材質のストッキングを選び注文してくれます。オーダーメードのものは5万円近くすることもあり、個人では定価で購入することは経済的に難しいかもしれませんが、補助を得ることができ、3000円程度の支払いで手に入れることができます。
 
また、各県のヘルプツールセンターではスタッフのヘルプツールに関する豊富な知識を生かし、ツールの選択に関するアドバイスなどをしたり、壊れたヘルプツールの修理、ヘルプツールの配達などを行っています。
 
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ヨンショーピング県のヘルプツールセンター
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車椅子の修理・点検
 
 
どのようなヘルプツールがヘルプツールセンターから入手できるか、一例をここで挙げてみようと思います。
 
椅子
車椅子で車に乗る際のスロープ
押し車などの歩行補助器具
簡易式エレベーター
車椅子
呼吸補助器具
石鹸等衛生に関するツール
医療用パンツ
トレーニングツール
マットレス
アラーム
 
このようにさまざまなツールを無料で借りたり、安価な値段で購入することができます。
 
 

まとめ

今回のレポートではヘルプツール、ヘルプツールの入手方法などについてお伝えしました。日本と比べて、独立した子供とは基本的に一緒に暮らさないことが多いスウェーデン。高齢になるとヘルプツールは生活していくうえで必要不可欠です。ヘルプツールを大いに活用して楽しいシニアライフを送ってほしいと思っています。
 

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