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伝統的行事
スウェーデン紀行(6)ヴァルプルギスの夜偏

5月に入り、スウェーデンもようやく春らしくなってきました。今回は「スウェーデン紀行」シリーズの一つとしてヴァルプルギスの夜についてお伝えいたしたいと思います。

■ヴァルプルギスの夜

ヴァルプルギスの夜はスウェーデン語でValborgsmässoafton(ヴァルボリィスメッソアフトン)あるいは単にValborg(ヴァルボリィ)と呼ばれます。「ヴァルプルギスの夜」は映画や小説、音楽の題材にもなっているので、聞いたことがある方もいらっしゃるのではないかと思います。北欧をはじめ、ヨーロッパの一部の国で行われている行事です。行事としては日本の正月に行われるどんど焼き(どんと焼き、どんどん焼き)あるいはキャンプファイヤーのように火を燃やし、春の訪れを祝うものです。4月30日の夜に行われる行事ですが、この日はスウェーデンではちょうどカール16世グスタフ国王の誕生日でもあるため、お祝いムードが高まります。国王は今年(2016年)ちょうど70歳になりました。古くから大学の街として知られる、ウプサラやルンドでは学生たちによってヴァルプルギスの夜の行事が大々的に行われます。

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 ストックホルムでのヴァルプルギスの夜の様子 写真:Ola Ericson imagebank.sweden.se 

■シニアの過ごし方

シニアはどのようにヴァルプルギスの夜をどのように過ごすのでしょうか。いくつかご紹介したいと思います。 カリーナ・ベックさん(女性・55歳) 家でゆっくりします。外には出ません。 クラエス-エゴン・ウッドさん(男性・76歳) 釣りに行くよ。 ハシブ・ハイドさん(男性・50歳) 他の人は店を閉めるけど、うちはいつも通りレストランを開けて働きます。 シェル・スベンソンさん(男性・定年退職者) 外に出て変な人に会うのが怖いね。買い物をするにしてもさっさと済ませて帰ると思う。祝うために公園とかに行くんだったら、どんな年代の人が来てるのかをチェックしたほうが良いね。若者が多いところだと年寄りはトラブルに巻き込まれやすいからね。 ブリタ・ヘルベリィさん(女性・50代) 湖のほとりで火をたきます。そしてコーラス隊の一員として歌を歌います。打ち上げ花火もやると思います。 オッケ・イングブランドさん(男性・50代) ヴァルプルギスの夜は全く祝わないね。ただちょっと打ち上げ花火を見て、いつもよりちょっと良い夕食を食べるぐらいだね。 グニッラ・カルメフェー・モエさん(女性・50代) 田舎の別荘(サマーハウス)に行って祝います。森の中で自分たちで火を焚きます。 (60代・女性) 年によって違いますね。家で主人とゆっくりしたり、旅行に行ったり、友達と外にでたり、色々ですね。

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 「ヴァルプルギスの夜は孫に会います」と語る女性 写真:NSD.se シニアの方々の回答からお気づきになったかもしれませんが、伝統的な行事にもかかわらず、実はお年寄り、シニアの方々はあまり積極的に行事に参加していないようです。というのも最近では、多くの若者がヴァルプルギスの夜に外に出てお酒を飲み、騒いでトラブルを起こすといったことが問題になっているからだと思います。もともとは落ち着いた雰囲気で春の到来を祝うという行事だったと思うのですが、最近は若者のお祭りの日というような感じになってきているようです。  

■ヴァルプルギスの夜の伝統的な昼食

ヴァルプルギスの夜の伝統的な食べ物といえばニシンの酢漬けです。スウェーデンのクネッケと呼ばれる薄い乾燥したパンと共に食べるのが一般的です。レシピの一例を紹介します。 材料: 新じゃがいも 500グラム クレームフレーシュ3/4dl サワークリーム 1dl 赤玉ねぎ小1個 小さなリンゴ1個 塩と黒コショウ ニシンの酢漬け2缶 チャイブ1束 ラディッシュ バター25g クネッケ 作り方: 塩水の中でジャガイモを茹でる。茹でた後に水気をとって冷めるまで待つ。ジャガイモを小さく切る。ボウルの中にジャガイモとサワークリーム、クレームフレーシュを一緒にいれてフォークで軽くジャガイモをつぶす。みじん切りした赤玉ねぎとみじん切りしたりんごをその中に混ぜる。塩と黒コショウで味付けする。ニシンの酢漬けの水気を取る。バターを鍋の中でとかす。潰したジャガイモとニシンの酢漬け、薄く切ったラディッシュ、チャイブを細かく切ったものをクネッケの上にのせて、その上から全体にバターをかける。

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ニシンの酢漬けとクネッケ 写真&レシピ http://www.pickipicki.se

■まとめ

今回のレポートでは、スウェーデンの伝統的な行事の一つ「ヴァルプルギスの夜」についてお伝えしました。ヴァルプルギスの夜は日本ではあまりなじみのない行事かもしれませんが、スウェーデンで最も重要な行事、夏至祭とクリスマスやイースターといったものにも匹敵するような行事です。