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シニアのスポーツ活動

今回はスウェーデン国内のシニアのスポーツに関することについてお伝えしたいと思います。  

新年の目標

新年ですので(このレポートは2016年1月のものです)まずはじめに昨年同様、スウェーデンのシニアの新年の目標を少しご紹介したいと思います。 Q. 新年の目標は何か考えましたか? A. (M.アンダーションさん) 目標はもう少しダイエットすることです。ダイエットに成功したんですがもう少し体重を落としたいですね。それから、今年で定年退職になるんです。主人は最近定年退職したばかりで、年金生活を二人で楽しみたいですね。 A. (G.アンダーションさん) 基本的に私は新年の目標は立てません。皆が健康に過ごしてくれればと思っています。もうすぐ行くタイへ旅行を楽しみにしています。 A.(カグエルマノヴァさん) 特に新年の抱負はないです。目標を立てないとダメですか?達成できないかもしれないから、目標は立てないほうが気楽で良いですね。個人的には特に何も無いですが、世界情勢が気になります。できるだけ早く平和に解決して、皆が安全に過ごせるようになってほしいです。

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右上から反時計回りに、G.アンダーションさん、M.アンダーションさん、カグエルマノヴァさん 写真:カタリーナ・ヨハンソン

インネバンディ

皆さんはインネバンディ(スウェーデン語: innebandy)というスポーツをご存知でしょうか?日本語では フロアボール、あるいは、ユニホッケー、ユニバーサルホッケーとも呼ばれているスポーツです。アイスホッケーに似たスポーツですが、氷の上ではなく、バスケットのようにコートの上を走ります。手に持ったスティックでプラスチック製のボールをアイスホッケーのように打ち、ゴールを狙うスポーツです。1チーム6人でプレイします。日本ではそれほどポピュラーではないかもしれませんが、このスポーツはスウェーデンでは大変人気で、世界選手権でも最多優勝を誇っており、お家芸といっても過言ではありません。今回はこのインネバンディをするシニアのチームをご紹介したいと思います。はじめにお断りしておきますが、インネバンディは非常にハードなスポーツで、シニアの方はあまりプレイされません。筆者もプレイしたことがありますが、すぐに息切れしていました。 ご紹介するチームは、スウェーデン南部の町、ハルムスタードを拠点に活動しているチームです。チームは設立30年を迎えました。もともとは同じ通りに住む9人がチームを作ったのが始まりで、人からは「タフなベッカゴードの9人」と呼ばれていますが、自称は「インネバンディ娘」です。定期的に参加しているのは52~74才のシニア、9人です。設立当初のメンバーもまだ3人チームでプレイしています。日曜日の夕方に集まり、プレイをし、そのあとはサウナに入ってリラックス。クリスマスには忘年会を兼ねたパーティーをするといった活動をしています。

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「インネバンディ娘」写真:エメリー・アスプルンド

 練習中は、うまくパスが通ったときに「よし!」といった声が出たり、逆にうまくいかなかったときは「だめ、だめ!」といった声もこだまします。皆さんが想像するかもしれない、「お年寄りのレクリエーション」的なものとは程遠い、プレーヤーの本気が伝わってくる雰囲気です。1時間の間、ほぼ休み無く動きまわります。これは若い人にとってもかなりきついことだと思います。チームメンバーの一人は、体を動かすだけでなく、他のメンバーと生活のことを話したり、映画や本のことを話したりすることも楽しみの一つだと言っています。こういった社会活動も健康で長生きする秘訣の一つかもしれません。  

生涯スポーツ

子供のころからはじめて、ずっと続けられるスポーツ。生涯スポーツとして知られていますが、スウェーデンスポーツ連盟は生涯スポーツをより促進する活動を行うことを今後の3つの方針のうちの一つとして挙げました。スウェーデンはもともと自分がスポーツをすることに関心が高い国で、16歳から84歳の人の3割の人が少なくとも一つのスポーツクラブに所属しているといわれています。なかでもシニア世代は今どんどんアクティブになっており、シニア層のスポーツに関する潜在的な需要がまだまだあると見られています。 スポーツが健康に良く、若さを保つということは良く知られており、一般的に受け入れられている事実と思いますが、最近スウェーデン中央大学が、スウェーデンの代表的な元スキー選手で現在90歳を超えている何人かの人の健康状態の調査でも、生涯スポーツとしてスキーをしている元選手は実際の年齢よりも若い体を保っていることが分かりました。これまで生涯スポーツといえば、子供の体力作りなどのためのプログラム、活動が中心でしたが、今後はシニアのための生涯スポーツに軸足が移っていくようにも思われます。

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写真:ハッセ・ホルムベリィ     

まとめ

今回のレポートは年の始めということで、まずはじめにスウェーデン人シニアの新年の目標をお伝えしました。また、シニアのスポーツ活動・生涯スポーツについてお伝えしました。今後ますますシニア世代のスポーツ活動が盛んになっていくように思います。スポーツとスポーツ活動を通しての人とのふれあいによってスウェーデン人は健康を保っているのではないかと思います。