今回のレポートでは、シニア男性の料理サークルのメンバーの声をレポートいたしたいと思います。
スウェーデン南部の小さな街で20年近くいっしょに料理サークルで料理をしているシニア男性グループがいます。サークルの参加者は様々です。この地に何百年も住んでいる家系の人もいれば、定年退職後、ストックホルムから移り住んできた人もいます。職業も農家をしていた人、警察官、暖炉職人、菓子職人な様々です。
キッチンで調理するシニアたち 写真:クリスチーナ・ヴィーリエン
調理は前菜担当、メインディッシュ担当、デザート担当の3つのグループに分かれてしています。数時間で自分たちでゼロから始めたフルコース料理が完成します。皆さん、みじん切りにしたり、焼いたり、皮をむいたり、ホイップしたりと、講師役の”料理の匠”の指導の下、調理をされています。 このサークルの最高齢の参加者は81歳で20年前のサークル設立当初からのメンバーです。また、一番若いメンバーは最近メンバーになった66歳の人だそうです。最近メンバーになった人は、「これまではあまり台所に立ったことはなかったんですが、このサークルに参加していろいろとインスピレーションをもらってます」と言っています。 また、別の参加者は「新しいことを学ぶのは楽しいし、こういったサークルに参加して、いろいろな人と交流するのは楽しいね。クリスマスパーティやバーベキューもやるし。社交的になることは大事だね」と言っています。 参加者の一人、トーマスさんも「ここでインスピレーションをもらって、家でいろいろ試せるしね」と言って同意しています。また、アンデッシュさんは「ただ残念なことが一つあるんだ。二週間に一回しか開催されないんだ!」と言っています。 サークルに参加して8年になるメインディッシュ担当グループのヤンさんは「最高なのはここにいる仲間だね。料理はよくやってるよ。掃除するのとかはあんまり好きじゃないからね。お袋が料理を教えてくれたんだ。簡単なやつから初めて、少しづつやっていったよ。家にいるときはほとんど料理してるよ」と言っています。その横にいた参加3年目のヨニーさん曰く、「俺は一人暮らしだから、嫌でも自分で料理しないといけないんだけどね」 デザートグループのケンネスさんは一部は家で作るものの、ここに来て皆と一緒にいることが大事だといっています。「いろんなことを吸収できるからね」
料理サークルが開かれてる集会所
現在この料理サークルで2週間に一度講師をしているラウリさんは「以前はレストランを経営してて、がむしゃらに働いてたけど、なんだかいっぱいいっぱいになっちゃってね。なにか別のことを始めようとおもったわけ。それで料理教室の講師になろうと思ったわけ」と言っています。 毎回作るメニューはラウリさんが考えています。季節に合わせた料理を考えるようにしているそうです。サークルで作る料理はスウェーデンの家庭料理ばかりというわけではありません。次回はアジア風の料理を作ってみるそうです。 また、ただ料理を作るだけではなく、それぞれの料理の名前と背景などについてもディスカッションするように心がけているそうです。
料理サークルで指導にあたっているラウリさん
今回のシニアレポートでは、男性シニアのための料理サークルに参加している皆さんの声をお届けしました。 今回ご紹介したサークルのほかにも、退職者協会の支部が会員のための活動の一環としてこうした料理教室、特に男性のための料理教室をたくさん開いています。今回ご紹介したサークルメンバーの声にもありましたように、退職後は積極的に人と交わる場に出ていくことで元気なシニア生活を送ることができるのではないかと思います。