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スウェーデン紀行(7) ユールボード編

今回のレポートでは久しぶりにスウェーデン紀行をお送りしたいと思います。毎年12月、クリスマス近くになるとになるとスウェーデンもいわゆる忘年会シーズンとなります。スウェーデンではクリスマステーブルという意味のユールボード(Julbord)を食べるクリスマスパーティが頻繁に開かれます。職場の集まり、習い事の集まり、家族と一緒になど様々なグループで何度もユールボードを食べることもよくあります。今回はこのユールボードについてお伝えしたいと思います。 ユールボードは少し高級なレストランやホテルのレストランなどで食べることができます。バイキング形式となっており、自分の好きな料理を取っていくスタイルです。

   

 典型的なユールボード

 クリスマスでないときでも食べるものもありますが、代表的なクリスマス料理としては「ヤンソン氏の誘惑」、「ユールフィンカ」と呼ばれる少し特別なハム、ミートボール、ニシンの酢漬け、ソーセージ、そしてgravad lax(グラヴァード・ラックス)と呼ばれる生に近い鮭に香辛料などで味付けしたものなどがあります。このほかに豚の角煮のようなものもあります。

   

 ヤンソン氏の誘惑

 「ヤンソン氏の誘惑」はジャガイモ、玉ねぎ、アンチョビなどで作るグラタンのようなものです。また、ユールフィンカは、軽く塩で味付けされたハムで、少し厚めに切って供されます。ニシンの酢漬けは、様々な味のソースで味付けされたものが供されます。ユールボードは食べる順番がある程度決まっており、基本的には冷たい料理から食べ初めて、暖かい料理へと進みます。

   

 ユールフィンカ

 伝統的には上でご紹介した料理が並びますが、ここ数年新しいメニューも追加されているようです。例えば、ベジタリアンの人のためのメニューが追加されたりしているようです。また、同じスウェーデン国内でも地方によっていくつか、その地方独特のメニューがあるようです。また、高齢者施設などでもユールボードを食べますが、高齢者にとってはカロリーが高すぎたり、胃に負担がかかったりするような場合があるので、特別なメニューも追加されているようです。

   

 様々な味のニシンの酢漬け

 バルト海クルージングでのユールボードも人気です。ストックホルムからお隣のフィンランドやラトビア、エストニアなどへ船が毎日出ており、24時間~48時間のクルージングが楽しめます。船室は安い部屋ですと4人で3000円程度(4人一部屋)で非常にお手頃です。クルージング会社としては客室では収益を上げず、船内のレストランや免税店、その他のお店でショッピングをしてもらうことを期待しているものとおもわれます。船内のレストランでは通常もバイキング形式の食事などが楽しめますが、クリスマス時期はこれがユールボードとなり、特別なメニューが追加されます。退職者協会の会員の方もよくクルージングでユールボードを楽しんでいるようです。

   

 船内のレストランでユールボードを楽しむシニア 出典:退職者協会PROのホームページより  

 ■まとめ

今回のレポートでは、クリスマス時期に食べるユールボードについてご紹介いたしました。筆者も職場で一回、家族で一回とすでに二回ユールボードを食べています。そして、あと一回は食べる予定になっています。午後3時ごろには暗くなるこの季節、ユールボードはスウェーデンの人たちに、楽しい、華やいだ時間を提供してくれます。