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シニアの運動
自治体の取り組み
シニアのトレーニング

今回のレポートでは、シニアの運動、トレーニングについてお伝えしようと思います。研究結果、自治体の取り組みなどについてご紹介したいと思います。


■ 研究結果

スウェーデンのウメオ大学の研究者らによる調査結果で、簡単な運動でも毎日やれば筋肉をつけることができ、高齢者でもそれが当てはまるということがわかりました。 調査はもともとあまり筋肉がない70歳以上の人、70人を対象に行われました。半分の被験者には10週間のトレーニングプログラムをやってもらい、残りの半分の人にはこれまで通りの生活をしてもらいました。トレーニングをする被験者にはプロテインのサプリメントもとってもらいました。その結果トレーニングをしたグループは筋肉量が1.2kg増えたそうです。また、脂肪は500g少なくなったそうです。そのほかにも色々差がみられたそうです。調査を行ったウメオ大学のノードストレーム教授は「1.2kg増という数字ほどインパクトはないかもしれませんが、それでも体が強くなっていることに違いはありません」と言っています。 お金のかかるトレーニングは必要なく、簡単な運動で十分だそうです。筋肉をつけることにより転倒、骨折などのアクシデントのリスクを下げることができ、寿命を延ばすことができるとのことです。 「高齢者でもトレーニングの成果を確認することができました。高齢者の場合、健康寿命を延ばすためには特に筋肉が重要です」とノードストレーム教授は言っています。

   

   ノードストレーム教授らによる論文     

■研究結果2

ノルショーピング市の職員で最近リンショーピング大学で学位を取得したアンソフィー・マース・トレッフさんは高齢者施設の入居者がどの程度体を動かすアクティビティをしているかを調査しました。まず、入居者及び職員双方に聞き取り調査を行った結果、入居者と職員の間で「運動」の定義自体に大きな差があることがわかりました。入居者は文字通り、体を動かすことを運動と考えているのに対して、職員はボタンをかける、歯を磨くといったことも運動の一部と考えているようです。 また、職員は従わなければならない規則に縛られていたり、やらなければならないルーチンワークなどを抱えていたりしており、時間もなく常にストレスを抱えた状態だということがわかりました。そのため入居者個人の意思が尊重されないような状態になり、入居者が運動をしたくてもできないような状況になっていることが調査で分かりました。 調査を踏まえてトレッフさんはリハビリなどを担当する理学療法士がもっと積極的に体を動かすアクティビティに関わるべきだと言っています。   

■シニア・スポーツスクール

スウェーデン南西部の群島からなるエッケルエー市では60歳以上のシニアを対象に健康増進のためのプロジェクトを立ち上げました。プロジェクトマネージャーのクリスティン・ヨセフソンさんは「健康寿命を延ばすためのプロジェクトです」と言っています。プロジェクトはシニア・スポーツスクールというで名前で3か月間、週に二回参加して、プール、ゴルフ、柔道、ペタンク、オリエンテーションなどいろいろなスポーツクラブで運動をするというものです。また、「理論」を勉強する日もあり、料理、ダイエット、心肺蘇生法などさまざまな講義を受けることができます。 このように週二回人に会うこと自体が友達を作ったり、社会的な生活を送ったりすることになり、健康につながるようです。また、こういった体験学習をとおして将来やりたいものを見つけてもらうという狙いがあるようです。シニア・スポーツスクールの活動は現在スウェーデン南部で普及し始めており、エッケルエー市の他にもエレブロ市やボロース市などでもスクールが開かれています。 ボロース市でスクールに参加したマリアンヌさん(69歳)は数年前に退職したあとはあまり外に出歩かなくなったそうです。そんな時、シニア・スポーツスクールに出会い、スクールでいろいろな体験をして、今では歩いて行うサッカー(Gåfotball、ウォーキングサッカー)をしているそうです。また、柔道も体験し、受け身のやり方は転倒した時などに役立つといっています。友人もたくさんでき充実した毎日を送っているそうです。

   

 写真:エッケルエー市のHPより  

■まとめ

今回のレポートでは、シニアの運動に関する調査研究、自治体の取り組みについてお伝えしました。健康寿命を延ばす取り組みが重要とされています。国や自治体としては健康寿命が延びれば、医療費を抑えることができるという思惑もあるのでしょうが、シニアの方々に「いつまでも元気でいてほしい」というは当然あると思います。そして何よりも、シニアの方々の「いつまでも元気でいたい」という思いをサポートする体制が重要だと思われます。