スウェーデンシニアレポート
感染症対策
新型コロナウィルス
Covid-19がもたらした日常への影響(3/20現在)

スウェーデン在住の松下です。スウェーデン公衆衛生省は連日、記者会見を行い、公共交通機関、医療現場、教育現場は緊急事態の対応に日々追われています。今回は、Covid-19が特に、年配者にもたらした日常への影響についてレポートします。

 

Covid-19感染リスクグループ

 

Covid-19に関する限られた研究から、高年齢が主な危険因子とされています。特に、高血圧、心血管疾患、肺疾患、糖尿病などの基礎疾患と組み合わせた年配者は感染リスクが高いとされています。ただし、3/20現時点で、喘息、アレルギー、腎臓病の患者はリスクグループとして研究に含まれていないため、感染リスクが高まる基礎疾患に含まれるのか分かっていません。免疫システムが低下する病歴がある場合にも、感染リスクが高まるのかは分かっていません。イタリアからの報告によると85歳以上の高齢者が最も感染リスクが高いグループとされています。

 

316日付で、公衆衛生省より70歳以上の高齢者に対する勧告が発表されました。

70歳以上の人は、これからの数週間、人との密接な接触をできる限り制限することが推奨されます。具体的には、公共交通機関、店舗、または公共施設で行われる集まりを可能な限り回避することです。また、感染リスクグループに入らない世代が、年配の親戚と会うことも制限されます。

地域住民の助け合い

 

私の住む自治会では、自治会よりお年寄りのサポートができる人のボランティアを募り始めました。お年寄りは外出を制限されているため、これまで通り安心して買い物をしたり犬の散歩をしたりできません。そこで、ボランティアに参加できる人を募り、自治会がコーディネートすることになりました。買い物代行など、お金の支払いが生じる場合、Swish(スウィッシュ)というスマートフォン用の決済アプリケーションを使って、物理的にお年寄りとの接触を避けるよう配慮することになっています。

 

食料品店における取り組み

 

ストックホルムでは複数の食料品店が、朝1時間早く開店する取り組みを始めました。例えば、ある店舗では 7時に開店し、最初の1時間は感染リスクグループに入る人のみが入店できます。新しく掃除した店舗で安心して買い物ができるようにとの配慮です。この取り組みは、ニュースやソーシャルメディアで取り上げられ、とても前向きな反応があるようです。公衆衛生省からの新たな通達等が出ない限り、この取り組みは継続されるとのことです。

 

ストックホルム公共バスの取り組み

 

317日より、ストックホルム公共バスでの乗り降りはバスの後方にある出入り口で行われるようになりました。これは、ストックホルム公共バスが、通勤等のためにバス利用の必要な人にサービスの提供を継続できることを狙った取り組みです。乗車料金の支払いの確認はこれまで、バス運転手の元で行われていましたが、現在はその支払い確認は行われません。バス後方から乗車し、有効なチケットのない旅行者は、携帯電話のアプリケーションで乗車料金を支払います。また、バスに乗車する場合は、できるだけ間隔をあけて座るよう、推奨されます。ストックホルム公共バスは、旅行者に、他人への感染から身を守る方法について、公衆衛生省のアドバイスに従うことを強調しています。ストックホルム公共バスでは、これから多くの従業員が子供や家族の世話や看病のために欠勤者が出ることを見込んでおり、このような状況で、公共交通の機能が継続することを目指しています。

 

私の勤務している病院では、入院が必要で、発熱や上気道に症状(咳、鼻水、喉の痛み)がある患者に対してcovid-19のスクリーニング検査をしています。私のここ数日の経験(316日から320)ではほとんどが60歳以上の患者です。ストックホルムでは多くの医療従事者が公共交通機関を利用し出勤しているので、公共バスが機能し続けることは、適切な医療を提供し続けるためにも非常に重要なこととだと思われます。

 

ストックホルム県におけるホームヘルパーのCovid-19に関する通達について

 

313日付でストックホルム県よりホームヘルパーのCovid-19に関する通達が出ています。ホームヘルパーで、発熱や上気道の症状がある者は、症状から回復後、48時間経過しない限り、業務に戻ってはいけません。

 

ホームヘルパーは以下の基本的な衛生用品をホームヘルプ利用者宅に用意し、衣服の基準を守って業務をしなければなりません。

 

·       アルコールベースの手指消毒剤

·       液体石鹸

·       使い捨てワイプ

·       使い捨てのプラスチック製エプロン

·       手袋

·       完全なバイザーまたはマスクとメガネ/バイザーを組み合わせたもの

·       界面活性剤消毒剤

·       使い捨て布

 

スウェーデンでは以前から風邪などの上気管症状がある場合にマスクを使う習慣がありません。また、公衆衛生省もマスクの使用を勧めていません。咳などの症状がある場合の、自宅待機、咳をする際のエチケット(紙の中に向けて咳をすること、紙がない場合は、肘の内側を口に当てて咳をすること)を呼びかけています。現在、マスクを含め、防護服やバイザーまた消毒剤が不足しており、多くの医療従事者が、ソーシャルメディアを通じ、それらの物品が必要な医療現場に集まるよう呼びかけています。

 

各国、地域で色々な環境に違いがあり、色々な情報が流れていますが、信頼性のある情報を個人個人が収集し、モラルを守って行動することが大切だと思います。

 

 

※以上は2020320日時点のリポートです。上記内容は以降の情勢により変更している可能性があります

 



参考:

 

Folkhälsomyndigheten. (2020). Frågor och svar. 19, March kl.17:16

 Retrieved from https://www.folkhalsomyndigheten.se/smittskydd-beredskap/utbrott/aktuella-utbrott/covid-19/fragor-och-svar/

 

Hemköp. Coronaviruset - så jobbar vi i butik och e-handel. 20, March, 2020. Retrieved from https://www.hemkop.se/artikel/corona?j=91692&sfmc_sub=20812207&l=39_HTML&u=4638272&mid=100012768&jb=1082&utm_source=sfmc&utm_medium=email&utm_campaign=info_corona

Region Stockholm. (2020). Stockholmarna visar hänsyn och lämnar plats i kollektivtrafiken. Retrieved from https://www.sll.se/verksamhet/kollektivtrafik/nyheter/20202/03/stockholmarna-visar-hansyn-och-lamnar-plats/

Swish: Retrieved from https://www.swish.nu/