ディチャーム株式会社は、創業より20年、全国の高齢者施設に訪問し、入居者様に向けた訪問美容サービスを行なっています。
弊社の訪問美容サービスでは、施設におられるお客様のご希望やご状況にあわせ、髪のカット、パーマ、ヘアマニキュア、メイクなど、一般美容室と同じようなメニューがご利用頂くことができます。
また、弊社には全国200名程のケアスタイリストが在籍しており、訪問美容に必要な心得や確かな技術はもちろんのこと、高齢者の方がより自分らしく、より魅力的になるひとときのお手伝いをしています。
おかげさまで、今では全国1500を越える施設様とお取引させて頂くほどになった弊社の訪問美容サービスですが、創業者の大久保がどのような経験と想いからこの事業を始めるに至ったのか、創業のエピソードをご紹介したいと思います。
大久保 智明(おおくぼ ともあき)
ディチャーム株式会社 代表取締役
1973年生まれ / 兵庫県出身
高校生の頃から、社会問題の解決に関心を持ち、ビジネスで解決したいと思っていた大久保は、大学在学中に「起業するなら公認会計士の勉強をしておくと良い」と知人に勧められ、そのための勉強を進めていました。そんな中、1995年に阪神大震災が発生。大久保自身は幸い大きな被害に遭わず事なきを得ましたが、勉強に専念するどころではなくなり、復興のボランティア活動などに参加していました。
そして震災から一年程経過した頃、仮設住宅での生活が続いている方の中には、いまだ髪を整える余裕がない状況ではないことを知り、大久保は知人の美容師とともに散髪のボランティア活動をするため、ある仮設住宅へ向かいました。
向かった仮設住宅で目にした高齢者の方々は、被災のご苦労だけでなくその後の仮設住宅生活の疲労も重なり、とても身なりまで手が回るような様子ではありませんでした。
一見すると不愛想な様子にも見える方々を前に、当時大久保は「正直最初はこの活動は無用だったのかもしれないと戸惑った」と言います。
しかし、その高齢者の方たちは髪を切ってさし上げると、みるみるうちに明るい表情に。
被災のご苦労の中、仮設住宅で美容院になど行ける状況ではなかった方々は、本来の姿ではない自分にすっかり自信を失っておられたのです。
髪を切ったあとの笑顔、そして涙を流して喜んで下さった姿。
それまでとはまるで別人のように表情が晴れやかになったご様子を目の当たりにした時、髪の毛が整えられないだけで人がこんなにも心の自信を失くしてしまうことへの驚きと、人の心に明るさと笑顔をもたらす「美容」の力を知りました。
それだけではありませんでした。
その方々からお話を伺うと、髪を整えられなかったのは仮設住宅の生活以前、震災前から困っていたということがわかりました。
「足が悪くなってから駅前の美容室やスーパーにも行けなくなってしまった」
「電車に乗って好きなお芝居を見に行くこともできなくなってしまった」
その方たちの話から、少し足腰が悪くなってしまうだけで、高齢者の方々は私たちが日頃当たり前に利用しているサービス(社会)からどんどん断絶されてしまうということに気づいた大久保は、そこに高齢化社会の大きな課題を感じました。
「これでは身体的寿命が延びても、人生を最後まで自分らしく楽しむことはできないかもしれない ――」
もともと社会問題をビジネスの力で解決したいと考えていた大久保でしたが、この経験から、あらゆるサービスから高齢者が断絶されている大きな問題を知り、それを解決するビジネスをつくるという決意のもと、ディチャームを起業。
創業から20年、現在「生きることを最後まで楽しめる社会を目指す」ことをビジョンに掲げ、訪問美容事業を主軸に、シニアが楽しいと思えるサービスの開発、シニア向けビジネスのコンサルティングなどを展開しています。
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我々が直面しているコロナ禍はまさに未曾有の事態ではありますが、このような時であるからこそ、ディチャームの原点であった大久保のボランティアでの経験とその起業の想いに社員全員で改めて立ち戻り、この状況下で利用下さるお客様の心の声を聴き、改めて真摯に向き合っていく必要があると思っています。
様々な制限がある中でも入居者の方々が自分らしさを取り戻すひととき、また心をこめてお届けする美容サービスに誇りを持ち、我々の取り組みは施設入居者の皆様、また施設スタッフの方々にとって必要不可欠なサービスであると信じ、引き続きより良いサービスを追求してまいります。
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